2015-08-28a
この1年で何度見たか分からない局面。

後手が△7三桂を保留する最新型。
先手は▲2五歩を決めた後に▲4七金とあがる攻撃重視の駒組みへ
2015-08-28b

ここから数手の駒組みは細かい部分があるのですが、順に解説すると
①▲4七金で▲4五歩~▲4五同桂~▲4六歩を狙う。
②△4三金直で△4二銀を用意して上の狙いを防ぐ。
③▲4八金で次に▲2九飛から後手の駒組みに応じて攻めの形を作る。
④△6五歩をいれておいて△7三桂の活用をスムーズにする。
⑤言い分を通すのは面白くないので▲6四角と反撃。
⑥△7三角は▲6五歩で先手が指しやすいので△9二飛とかわして角を負担にする。
といった感じ。細かい動きですがひとつひとつに意味があるのが角換わり。

最善形で仕掛けたい先手と最善形で待ちたい後手の細かい駆け引きの末、手にした一歩を使って▲2四歩から継ぎ歩の手筋で攻めていきますが、後手も玉が堅いうちに△6五桂~△9五歩と反撃の態勢を築きます。
2015-08-28d
上の局面が封じ手の局面ですが、単に受けるのは後手が大変そう。
封じ手の△6九角は先手陣の金に狙いをつけて攻めを見せながら、一方で△3六角成から攻め駒を圧迫する狙いがある曲線的な手。先手は▲8四角と出て9五の歩にひもをつけながら▲5一角成を見せますが、後手は△3六角成と馬を作って圧力をかけてきます。

先手は▲4七金と馬を閉じ込めてから自玉の周辺の嫌味を払い、後手は△2六馬から△3五歩~△3六歩と狙い通りに桂頭を攻めますが、右辺の駒が一通りさばけた下の局面は駒割は互角で、手順に金を玉頭に利かせて味が良いように見えます。
2015-08-28e
玉頭の拠点や▲5一角成の応援もあるため、後手が耐えきるのは大変かとも思ったのですが、これが結構大変。体感では足りてそうな感じもするのですが後手の防戦に決め手が見えず、本譜も金駒は削っても竜を引き付けられて第2ラウンドへ突入する雰囲気です。
後手からも竜が消えると玉頭が寒くなるので攻め方が難しいと思ったのですが、と金の活用が間合いを正確に測った攻め筋で「と金の遅早」と言われるように意外と早い攻めになっています。
先手としてはと金が間に合うまでに攻めたいので、▲3六銀から玉頭を抑えにかかりますが竜の存在が大きく、先手が▲3七金と2枚目を投資したタイミングで攻略を開始します。

2015-08-28g
先手は手駒が少ないために攻め合いへ持ち込むこともできないので、端の空間を使って逃れようとしますが上図の△5二飛が無理やり角の入手を図る決め手。以下は角を持った後手がきれいに寄せきり終局となりました。

途中、先手が寄せきるかとも思えたものの、後手の徹底防戦に攻めは難航。ねじり合いの第2ラウンドへ突入しましたが、後手は盤上の駒をフルに使って先手の間合いを見切った攻めで先手を寄せきります。第1ラウンドは難しかったですが、第2ラウンドからは羽生王位の正確無比な間合い取りが光った一局だったと思います。
広瀬八段にとっては苦い結果となりましたが、個人的にはまたタイトル戦に登場することを期待しております。

今期の王位戦は閉幕となりましたが、来月からはすぐに佐藤天彦八段が羽生王座に挑戦します。
ここまで行方、豊島、広瀬と次世代の棋士をフルボッコ退けてきた絶対王者羽生四冠に
次世代四天王(?)最後の棋士、佐藤天彦八段はどう戦っていくのか、注目です!
ということはチャンピオンはダニー!?

【第56期王位戦七番勝負第5局】


最近、まじめに角換わりを勉強すべきか迷っております。
近頃は後手の対策も進んで作戦の幅が広いことも一因ですが、やはり好き嫌いはいけないかなとw
昨年までは後手番で角換わりを指していたんですが、ここ1年くらいは横歩取り模様に指しています。
特に居飛車党の人は先手、後手で作戦を用意して、矢倉、横歩取り、角換わりくらいは指せた方が
勝率も安定しやすいと思います。
相掛かりェ・・・

~雑記~
天彦はA級でも絶好調です。(ここまで3連勝)
これは来期くるか!?

最近、叡王戦のniconico生放送多いっすね。
なかなかの好局揃いなので、時間に余裕のある方にはご視聴をお勧めします♪

心からダイエットすることを誓う2015年夏(目の前に秋)

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