あけましておめでとうございます。
本年も細々と続けていこうと思ってますが、如何せん年末年始は対局も少なく、ネタ不足で書くものが見当たりませんでした。将棋とはまったく関係ないですが最近始めたゲームにハマりつつある2016年です。


郷田王将に羽生四冠が挑戦する王将戦。
第1局は相矢倉となりました。

2016-01-11a
上の局面は後手の△3三銀に対して▲6八玉と上がった局面。
何気ない局面のようですが、実はすでに同一局面はゼロ!?実戦例では▲7九角や▲3六歩が多いところですが既に未知の局面となっています。後手の△3三銀は態度を決めない一手でしたが、その優柔不断なところを咎めにいくのが郷田流!とはいえ、まだまだ序盤戦なので互いに方針を決めながら駒組みが進んでいきます。

2016-01-11b
後手は△6四銀+△7三桂の攻撃型を築き、先手は玉を深く囲いにいきます。
一見すると先手陣はバラバラのようですが、次に▲7八金とすれば普通に囲うよりも一手早い金矢倉の完成。後手も玉が露出していて不安定な陣形ではありますが、先手の矢倉の完成は許せないと△5五歩から、含みにしていた「矢倉中飛車」風の動きでリードを奪いにいきました。

2016-01-11c
後手が動き始めてから封じ手の局面まではスラスラ進み、封じ手は△7三角。角のラインで△4五銀の筋を残しながら▲5七角が▲8四角の先手にならないように引いた手ですが、やはり角頭の薄さが気になるところ。▲7五歩とする手は先手の不安定さが祟って自信が持てないとの評判でしたが、上図で▲7八飛が郷田王将らしい剛直な一手。
後手は7筋を狙われているのは分かっていても、なかなかピッタリ構えられる手が見つかりません。対して羽生四冠の一手は△3一玉。こちらも緩急自在な羽生さんらしい如何にも怪しげな一手。序盤、中盤と密度の濃い展開が続きます。

2016-01-11d
先手は▲3七桂と△4五銀を防ぎながら桂を活用しますが、図の△6四歩が意表の一手。
位に反発するのはセオリーといっても、6三の地点は後手の弱点のひとつ。ここからの進行が本局の流れを決めることになりました。

2016-01-11e
6四は好位置なので、それを追い返してから狙い通り▲5七角。後手はここで△7五歩とする手が考えられましたが、7三に角を打ち込む隙があって後手自信のない形勢です。とはいえ△8二飛は大人しく、そう応じてくれるなら先手を持ちたいとの評判。先手はいよいよ▲7五歩から本格的な戦いを起こし、飛車を止める手にも強気な対応。矢倉に組みつつ飛車をさばいた下の局面は先手優勢。

2016-01-11f

後手は嫌味嫌味と切れない攻めで食いついてきますが、無理に後手陣を攻略せずに上部開拓と合わせて左辺を制圧したところで後手は投了。

2016-01-11g
投了図は馬が異常に手厚いですね。

【棋譜:第65期王将戦第1局】

△6四同角のところで△6二飛は一局だった模様。以下、△6四飛と飛車で位を消す構想で、後手はバランスは悪いものの玉を入城してまだまだこれからの勝負が予想されました。
序中盤の長考合戦。短手数ながら、それだけに内容が濃い一局でした。
矢倉愛好家としてはたまらんですな。(´∇`)

ちなみに、郷田王将は前期でも見せた「孫の手定跡」を再び見せてくれた模様。
うな重→ひふみん
孫の手→郷田王将
のイメージができつつありますねw

第2局は羽生名人が先手番。戦型予想は期待と願望をこめて「相掛かり」でどうでしょう?

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