【第65期王将戦第2局】
1月24日、25日に渡って行われた王将戦第2局。
どちらかというと後手番の郷田王将の作戦に注目が集まりますが、最新の9筋保留型の角換わり腰掛け銀へと進みます。
2016-01-28a
先手は▲3七桂とすると桂頭のキズが気になり、▲2五歩△3三銀とするのも桂の活用が狭く決め過ぎの感があります。ここから△6三金▲6七金右△6二金と難しい手順ですが、意味としては攻めの形を見せられた先手が備えたところで、先手陣に隙が多くなったため自陣の隙をなくして陣形整備に移るといった要領。後手番は千日手上等ですので、先手は隙のない攻め形を築くのが難しいです。

2016-01-28b
本譜▲1八香はとにかく形を決めずに待機した意味合いが強いですが、やはり1九の隙や後に△2七角と香を狙われる筋が生じるため一長一短。ただ、後手も△3三銀とするのは桂の当たりが強くなるため、△2二玉と入城しますが、玉の当たりが強くなったところで▲4五歩と仕掛けます。
先に桂を跳ねると桂頭を狙われるとはいえ、▲4五歩に対して△4六角と角換わりでよく見られる反撃筋で対応したところで1日目は終了。(下図)
2016-01-28c
本譜の▲3七角は本筋ですが、△4五歩に対して▲4六角△同歩▲3七桂とすると、▲4五歩に対して単に△同歩▲3七桂と進む進行より後手が△4六歩の一手を多くさせている勘定になります。先手としても後手だけ得するのは面白くないので、△4五歩に▲4八飛と4筋へ戦力を足しますが、ここで後手からの反撃が気になるところ。
本譜は郷田王将が△8六歩から反撃を開始します。

2016-01-28d
ただ、本譜の△6五歩に対して▲4六角~▲6五歩と自分から角交換して手を戻すのが好判断。先手の▲6六角が好所の角打ちで玉を睨んで厳しいとみたものです。かといって、△6六歩と手筋で角打ちを防ごうと思っても▲7七角とこのラインに角を打ちこむ手があって大変です。
桂馬の活用が遅れるだけに盲点でしたが、後手が陣形を乱して馬を作ってる間に、▲6六角と▲3五歩で玉のコビンに厳しく迫ります。

2016-01-28e
後手は陣形を後退して辛抱。馬で飛車を追いかけて、どこかで△4一飛の活用を狙いますが、上図の▲4四飛が柔軟な一手で後手がしびれました。△4三歩には▲4六飛と落ち着いて飛車を戻し、さらに馬で飛車を追いますが、▲6八飛と逃がしてしまった形は先手の9筋攻めが残っており、後手は飛車の活用が難しくなってしまっていて形勢に差がつきました。
2016-01-28f
後手は動かないと完封されてしまうので、6筋から仕掛けていきますが、▲6三歩の痛打がはいり先手が優勢に。本譜は△同金に▲6五銀~▲7二銀がはいってハッキリ勝勢となり最短で押し切りました。
上図では△7二金▲6五銀△同桂▲7三銀△同金▲同角成りの進行なら△9六桂の筋が残って先手も大変とされましたが、やはり先手が正確に指せば残していることは変わらず、形勢としては先手が勝っていたようですね。

【棋譜:第65期王将戦第2局】

後手は△8六歩からではなく、△6五歩▲同歩△8六歩▲同銀△6六歩▲6八金引なら郷田王将の作戦通りだったようで、本譜の手抜きが利いたのが大きな誤算だったようです。もちろん、△8六歩に▲同歩の進行も考えられるため一概に良いとは言えませんが、後手が待機したために生じた隙を的確に捉えた羽生名人の大局観、そして▲4四飛という羽生さんらしい柔軟な一手が輝いていた一局でした。
これで七番勝負は1-1のタイに戻り仕切り直しの様相。
まだまだ熱い勝負が続きそうです。

【5筋位取り】
2016-01-28h
まだやってんのかよ!
今の課題は上の局面。後手は△7一金を保留したり、△6四歩をとにかく急いだり色々手段はあるものの、上の角覗きに味のいい受け方が難しそうというのが現段階での見解。
△5二金が普通ですが、▲5七銀~▲6六銀として▲6五銀~▲5四歩を狙うか▲6八金右~▲8八玉と固めるか難しい。いろいろ考えるのはいいんですが、ここひと月以上24に触れていないので、そろそろ復帰させないとヤバいです。

【雑記】
今年の寒波はすごいですね。
私のいる地域でも雪が降り、近所の小学生がキャアキャア騒いでいるなか自転車でこけそうになっているおじさんです。

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