【第41期棋王戦第1局】
渡辺明棋王に佐藤天彦が挑む第41期棋王戦。
今期は棋聖戦では挑決に勝ち上がり、羽生王座との五番勝負、そして順位戦でも首位に立つなど、他の棋戦と合わせてその充実ぶりが伺えるだけに渡辺棋王との対局にも期待が高まります。
第1局は佐藤天彦八段が先手の正調角換わりに進み、大方の予想通りの戦型となりました。

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小考を挟みつつスラスラと上の局面まで進みます。
ここから後手が▲4五歩~▲4五桂に備えて△4三金直とあがり、先手が▲4八金として▲6八飛の筋が消えたところで△6五歩と突きました。この進行は昨年の第56期王位戦第5局と同じ進行ですね。
【ブログ内記事:第56期王位戦第5局】

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△6五歩に対して▲6四角が部分的な定跡になっているのですが、図の△7三角が渡辺棋王の新趣向。
前例はすべて△9二飛と指されていたため、ここからは未知の局面での戦いとなります。
6筋をどうケアするのか気になりますが、先手は手順に6筋の歩を伸ばし、後手は我関せずと桂馬の活用を図っていき、一方の先手も歩を成り捨てて銀を後退させたところで▲4五歩から攻撃を開始します。

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先手は角も設置して正面からの攻略を目指しますが、やはり気になるのは2八の飛と4八の金。後手の△5四金も形にとらわれない力強い一手で、自陣が薄くなるリスクと引き換えに攻撃陣の手厚さを重視した一手です。
あと一手▲2九飛あるいは▲5八金などが入っていれば先手も不満のない攻撃形なのですが、本譜のように進行してみると先手は無理な動きを強いられたような印象を受けます。

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先手も3筋の突き捨てから桂を跳ね、後手も7筋を取り込み8筋を突き捨ててと力の蓄える指し手が続き上の局面。
互いに玉は薄くなっていて攻めるか受けるか非常に難しい局面ですが、ここから▲2四歩~▲2五歩~▲2四歩の継ぎ歩と垂れ歩の手筋の攻めを敢行して攻め合いを目指します。しかし、後手は飛車を走った後△8四飛の銀にひもをつけて△4五銀を催促したのが間合いを見切った対応。先手も▲2五飛と走り、銀を入手してからの▲2三銀が強烈なため後手は緩む暇なく攻めなければいけませんが、△7七歩~△7六歩~△8六歩がお手本のような手筋の攻めで、最後に放った△4三角が間接的に7六の銀をにらんだ厳しい一手で決め手となりました。
以下はまったく付け入る隙を与えずに先手玉を寄せきり終局。
第1局は後手番の渡辺棋王の先取となりました。
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△7三角は非常に理解するには難しい手ですが、桂馬の活用を急いだ手といったところでしょうか。
ただ、6筋の歩が伸ばされること、先手も4筋が攻めてくることを考えても中途半端な攻撃力では先手陣に手が付く間もなく終わる危険もあるので、攻めを繋げる渡辺棋王ならではの構想だったと思います。

次は渡辺棋王が先手番。戦型予想は横歩取りが本命ですね。

【棋譜:第41期棋王戦第1局】

羽生&郷田「いよいよ新世代の到来だな!」


【実戦詰将棋】
2016-02-12f
私の実戦から。詰ましなさい(威圧)
最初の手順が見えれば結構簡単かと思いますがどうでしょう。


【将棋世界3月号】
先日買いました。今回の付録は1手3手必至。私は40分足らず位で一通り解き終わりましたが、2,3問間違えたので有段者の方には丁度いいくらいですかね?
あと、先月号から始まっているプロの自戦記(先月は佐藤康光九段、今月は瀬川晶司五段)が面白いですね。
プロの思考を知れるというのはもちろんですが、単純に読み物としても面白いです。
是非、棋譜を並べながら一読することをお勧めします。

【参考棋譜:第74期順位戦B級2組▲藤井猛vs△飯島栄治】

相振り飛車講座の中で書かれていた「後手追随型」の参考棋譜。
女流戦では相三間を結構見かけますが、男性棋戦ではほとんど見られないのが残念です。


【第1期電王戦】
山崎八段とponanzaによる二番勝負の日程と場所が決まりましたね。
ただ、比叡山延暦寺て・・・w
機材の持ち込みとか関係者の移動とか、大変そうですね(- -;)
ちなみに日程は以下
4/9,10: 関山 中尊寺
5/21,22: 比叡山 延暦寺
楽しみです。^^


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